ペルソナ分析の8割は間違い?精度を高めるその方法
ペルソナ分析とは
ペルソナ分析って何?目的は?
昨今、様々な企業で用いられるようになったペルソナ分析。何かと言うと、「架空の代表的なお客様」を構築する手法です。年齢、性別、職種、職業、年収、学歴、ライフスタイル、消費行動、情報収集行動など、定性・定量のさまざまな個人的な特徴を細かく記載していきます。あたかもそういう人が存在するかのように、細かく特徴を列挙します。そして、その架空のお客様=ペルソナが好むだろう趣向や、行動のパターン等に合わせて商品やプロモーションを設計していきます。すると、そのペルソナに似た特徴を持つ実際のお客様が、より自然にその商品を受け入れ、結果ヒット商品が作れるというものです。一昔前ですが「マイルドヤンキー」という言葉が流行ったのですが、それもこのペルソナ分析から出てきた架空のお客様像だったりします。
ペルソナ分析のやり方
アンケート、対面調査、グループインタビュー査等を通じて、実際にターゲットにしている市場の商品を買った・買ってくれそうなお客様の声を拾います。その声を元に、上述の細かい人物の特徴を列記し、ペルソナを作り上げます。そして、作ったペルソナが十分居て、市場をカバーしそうなのかという定量評価を行います。このペルソナが、十分な市場のサイズがあり、かつ狙って利益が上がりそうとの判断が出来れば、ペルソナにあった企画に入っていきます。
ペルソナ分析は間違いだらけ?その4つの原因とは?
8割が間違っていると言われるペルソナ分析?!
実際に統計を取ったわけではなく、確たる根拠があるわけでは無いですが、世の中にあふれるペルソナ分析の8割は実態を捉えていないと言われています。過去にあった事例を紹介すると、例えば家電量販店でPCを買う人をターゲットとして、「女性の社会人向け」「学生向け」「ビジネスマン向け」など事細かにペルソナ分析をして、その人達にあった販促や商品入荷を設計したそうです。しかし、実際に家電量販店でPCを買いに来た人の声を聴くと年代問わず故障などにより「急に迫られて買いに来た」という声が多く、選ばれた(選ばれなかった)理由を詳しく聞いてみると、ペルソナ分析とは全くかけ離れた所にニーズがあったそうな。
間違う理由.1「最初の仮説で主観が混ざってしまう」
如何に主観を排除しながら、実態に即した顧客像を描くかがペルソナ分析のポイントとなります。しかし、人間主観がどうしても入ってしまいます。そして、調査の最初の段階で実態にそぐわない主観で調査や回答者を設計してしまうと、それ以降の全てが的外れになってしまいます。例えば先程のPCの件、「家電量販店で売れるPCも、年代や職業に応じて買いに来る理由やニーズが違うはずだ」という思い込み、主観が混ざってしまい、調査の前段階からコケていたのかもしれません。
間違う理由.2「時代の変化から遅れている」
人の生活の仕方は、時代に応じて時々刻々と変わってきます。ペルソナ分析も時代に合わせて時々刻々と変化させていく必要があります。最近ではスマートフォンなど、小型で高性能なガジェットの登場でガラリと人の生活が変わったと言われています。iPodをはじめ2000年代に隆盛した携帯音楽プレーヤーも、スマートフォンが普及した今、昔ほど売れなくなってきています。前述のPCの例も、ほんの少し前までは年代や職業に応じた販促が有効だった様にも思えます。しかし、実物を見なくても買う文化が浸透したことや、自分好みにカスタマイズする公式PCショップの隆盛など、拘りや特殊なニーズがある人がネット通販に切り替えていった結果、昔つくったペルソナが今通用しなくなってしまった…そんな事は実際によく発生します。
間違う理由.3「本質的な質問が出来ていない」
アンケート、グループインタビュー、対面調査では、ペルソナ分析が機能するように上手く質問内容を調整していく必要があります。良い質問が出来ないと、本質的な「お客様の声」や「行動様態」を見落とす可能性があります。例えば、先程のPCの件、もしかしたらビジネスマンや、学生等、どんなPCが好みなのか、しっかりと見極めていたかもしれません。しかし、一言「家電量販店でPCを買いますか?」という問を聴けていなかった為に、家電量販店でPCを買わない人たちに合わせて販促設計をしてしまった、そんな原因も考えられます。
間違う理由.4「回答者が少なく、偏りがある」
グループインタビューや対面調査等は費用もかかることから、あまり数多く取得することが出来ません。1,2件の声だけだと、偏ったペルソナが完成してしまうことがあります。それを防ぐ為には、アンケート等も活用しながら量を担保して、平均的な人物像を記入する必要があります。例えば、たまたま家電量販店でハイエンドPCを買ってくれた人にインタビューをしたとしても、その声が十分な数いるのか、売上に寄与するのかは怪しいでしょう。ある程度、偏り無く、回答の数を担保し、実態を正しく調査・検討する必要があります。それが出来ないと机上の空論が出来上がります。
ペルソナ分析の精度を高める為に必要なただ1つのこと
今の現場の事を知り続ける、それしか無い
今まで上げてきた4つの間違い、一見原因は違う所にあるように思えますが、その本質は唯一つ「今現在の現場を分かっていない」ということです。現場を知らずして、どんなマーケティングの手法も意味を成すことはありません。現場の事を知り、観察し続ける、それしか間違いを防ぐ手立てはありません。
世界的に有名なデザインファームIDEOも「観察」を重視する
どんなに崇高なデザインや広告も、現場から離れてしまっては意味を成しません。それ故に、如何に現場を知るかその事が何をするにしても重要です。Appleのマウスをデザインしたことで知られる世界的に有名なデザインファームIDEOも、観察することを重要視しています。商品の設計の前に、現場に出て、いろいろ話を聞いたり、実際に試してみたり、物事の本質を探るのです。観察なしに人に受け入れられるデザインを設計することは難しいと言います。
しかし、経営に近くなればなるほど現場は遠くなり、観察できなくなる
とはいえ、経営が順調に進み、多店舗展開したり、取り扱う商品も増加すると、なかなか経営判断を下す立場にある人やプロモーション担当者は、現場に出て、お客様を知る機会も減ってしまいます。その結果、大きな決断や大規模なプロモーションをしなくてはならないのに、間違った判断や、効果の薄いプロモーションを優先し、本来解決すべき課題を放置してしまうようになります。すると、顧客がどんどん離れて経営が悪化してしまいます。ペルソナ分析に問わず、現場から離れ、観察ができなくなったマーケティング担当者や経営陣が行ってしまっては全く意味を成しません。
顧客満足度調査で、今の現場を知り続ける
継続的な顧客満足度調査が、現場目線を提供する
顧客満足度調査は、実際のお客様が自分たちの商品やサービスに対して、どんなお客様が興味を示しているのか、どう思っているのか、現場に行かなくても現場を知ることが出来ます。顧客満足度調査を継続的に行うことで、時代やニーズの変化を感じ取り、より多くの声を収集することが出来ます。ここから得られる声は、ペルソナ分析を始め、様々なマーケティング手法に対して大きな影響を与え、その精度を飛躍的な向上に寄与します。
クイックスコープでマーケティングの精度を高めて見ませんか?
マーケティング施策が上手くいかない、ペルソナ分析をしても上手く機能しない、そんな課題を抱えていたら、是非クイックスコープを使ってみませんか?本当に必要な現場で起きている事をリアルタイムで、継続的に提供しつづけます。活用手法に応じて、設問も共に考えながら設計していきます。是非お問い合わせ下さい。