顧客満足度調査やお客様の声で現場のやる気アップ・改善を促す秘訣
店舗を経営していく上で最も重要なのが、現場の一人ひとりがお客様に適切に接していることです。基本的な挨拶、商品陳列、清掃、安定した調理、梱包etc。ブランドを上げるのも、下げるのも、現場の一人ひとりが働きやすく、働きがいをもって、丁寧にお客様に接してくれるかどうかにかかっていたりします。その要素は、福利厚生、人事、職場環境、給与、接客マニュアルなど多気に及びますが、今回は【やる気】を持って働いてもらう為に、アンケートを活用する方法をご紹介します。
何故現場のやる気は下がるのか?
やりがいを持ってもらうためには、まずは何故現場の士気が下がってしまうのかを見てみましょう。
感謝されていることに気が付かない
とあるチェーン店の従業員調査のフリーコメントを見ると、接客をしている人の多くが「お客様の感謝の言葉」がとても嬉しい、それがやりがとの記述が非常に多く目立ちました。また、接客問わず、商品陳列、仕入れ、当たり前の事を当たり前にやっていることはとても大変で、お客様からも、また経営陣からも、実は多くの「ありがとう」の気持ちがそこにはあります。その「ありがとう」の気持ちが実は、現場の一番のやりがいだったりします。しかし、直接お客様に接しない陳列作業や仕入れといった現場の裏方はなかなかお客様から感謝の言葉を貰えなかったり、また経営者やマネージャーも忙しく現場の一挙手一投足を見て褒めてあげるといったことを出来ないケースもあります。すると、現場は感謝されていることに気が付かず、仕事を作業として捉えて、工夫をしていくことを辞めてしまいます。
何が正解かわからなくなる
接客の方法、商品陳列の仕方、その1つ1つに様々な工夫の余地があります。現場の従業員が一人ひとり工夫して、より良く改善をしてくれる、そんな理想的な従業員を思い描く経営者は多いと思います。しかし、現場目線に立つと、接客の工夫1つにしても、「マニュアルに無いことをやってよいのか?」、「お客様に本当に喜んで貰えているのか?」など色々な葛藤があることでしょう。また、色々工夫をしても、褒められず同僚からダメ出しだけされたり、上述のように経営者からも、お客様からもフィードバックが無いと、やっている事が役に立っているかどうか自信が持てず、不安になったり、やる気を失っていってしまいます。
辛いクレーム対応
どうしてもミスや手違いは発生してしまい、クレームになることはあります。その時に、現場は非常に厳しい立場に立たされます。もちろん嫌味を言われたり怒られたりするのが好きな人はなかなか居ないでしょう。また、会社としての責任を背負う一方で、解決の為の権限がなくどうして良いのかわからず、それが大きなストレスになったりもします。それ故に、本来クレーム対応は出来る限り権限を持つ上司が行うのが鉄則だったりしますが、それが出来ていないと、現場に大きなストレスを与える事になってしまいます。
四六時中現場を見れない経営者やマネージャー
経営者やマネージャーが常に現場に張り付き、感謝の気持ちを常に伝え、工夫していることを褒めてあげたり、クレーム対応を変わったりできれば良いのですが、そういったことに時間もコストもあまりかけられないのが実態です。すると、上で述べたような事が起きてしまします。出来るだけ、現場に貼り付かずに、現場で何が起きているのかを把握する、これがとても大事になってきます。
スーパーバイザーやミステリーショッパーの限界
出来る限り現場で何が起きているかを把握するために、スーパーバイザーやミステリーショッパーに現場に回ってもらい、情報を収集したりします。しかし、実際に店舗の現場側にすると、評価を上げたいがためにスーパーバイザーが来た時だけ、真面目に接客する、実態とは違う対応をしがちです。一部店舗だと、ミステリーショッパーが誰か把握してしまっているそうで、店長仲間から「今日来たぞ」などとグループチャットで情報が回っている場合もあるとか。また、当然ですが、毎日調査出来るわけでなく、一人ひとりのやる気まで細かく見ていくことは事実上不可能です。
WEBアンケート式の顧客満足度調査を使った現場のやる気アップ・改善を促す秘訣
さて、これまで見てきたように、問題には大きく5つあります。
- ・感謝
- ・正しさ
- ・クレーム対応
- ・経営者の理解
- ・日々現場を知ること
この5つを軸に問題を見ていきましょう
WEBアンケートを使おう
まずは、「日々の現場を知ること」を解決する方法ですが、お客様に応えてもらうWEBアンケートがとても有効です。お客様の生の声が日々入ってくるため、何が良くて悪いのか、現場に居なくても推察することが可能です。また、アンケートフォームには不満があるお客様はクレームを書いてくれる事も多く、店長や店舗責任者を超えて直接本部が「クレーム対応」や改善を引き受ける事も可能になります。
良いコメントを現場にいち早く共有する
次に、「感謝」と「正しさ」を可視化する方法ですが、WEBアンケートのフリーコメントで、褒める内容があれば、それを店舗に共有することが大事です。ただ、店舗スタッフは忙しくメールなども流し読みになりがちです。印刷してバックオフィスに張るよう現場にお願いしたり、FAXで直接紙で送付し店舗の人が読める工夫が必要です。また、副次的な効果ですが、こういう声を共有することで、よりWEBアンケートの存在が身近になり、現場がお客様にアンケートのお願いをしっかりしてくれるようになります。その結果回答率が上がり、更にお客様の声が集まるという良い循環が出来ます。
良い接客をしている人、店舗を表彰する
「感謝」と「正しさ」を更にわかりやすくするために、良いコメントを貰った人や、顧客満足度が高かった店舗に対して、表彰をしてあげることは大事になります。褒められるのは嬉しい事ですし、それが評価や査定、ボーナスにつながればなおさら真面目に取り組みます。例えば、今月は挨拶月間等とテーマを決めて、お客様から挨拶の評価が一番高かった店舗を表彰する等、ちょっとしたゲーム感覚があると、更に現場はやる気を出してくれます。
クレームは出来る限り本部や権限を持つ人が対応すること
「クレーム対応」を現場は出来る限り現場に任せっきりにならないことが大事です。ともすれば、WEBアンケートは現場の悪いところを発見し、それを指摘する為のツールになりがちですが、それをしてしまうと、現場のやる気、モチベーションは大きく下がります。WEBアンケートで悪いコメントが来たら、即座に現場へのヒアリングと、対応をより上位の権限を持つ人や本部側で巻き取る事を指示を出して下さい。その時に、現場を責めずに、原因を究明して、マネジメント側も一緒になって改善していく事を伝え、安心感を持ってもらうことが大事になります。
全社に「お客様に褒められた事」を展開する
最後に、経営者の「経営者の理解」を如何に高めるかですが、出来るだけお客様に評価された取り組み、現場での工夫をヒアリングして、それを全社展開することをオススメします。この作業を経営者自信がすることで、現場で何が起きているのか、現場の人たちがどんな努力をしているのか把握することが出来ます。できれば、何故評価したのか理由も添えると、会社の経営方針やビジョンも現場に伝わり、現場と経営層でPDCAを回す事が可能になります。
まとめ:顧客満足度調査は現場にこそ大事な情報
顧客満足度調査はともすれば、経営陣やマネージャーだけが状況を把握する為のものに思われがちですが、実は現場のやる気を上げる為のものでもあります。顧客満足度調査をすれば何か凄い経営改善案が出てくる事は稀です。また、現場が挨拶をする、丁寧に接客をする、お店を作る、そしてそれを経営層が感謝し評価するという一連の事が出来なければ、なかなか売上もブランドイメージも上がっていく事は無いでしょう。また、1回スポットでやって終わりではなく、日々やり続けることで、現場のやる気が喚起されていくものでもあります。
クイックスコープは、顧客満足度調査の現場活用を促進するプランも提供しています
クイックスコープのサービスは、ただWEBアンケートを導入するだけ、アンケートを取って結果を集計して出すだけではありません。「店舗毎のランキングを毎月集計してほしい」、「FAXで良いコメントを抽出して送ってほしい」、「悪いアンケート結果は本部に直ぐに連絡が来るように設定してほしい」、といった現場が顧客満足度調査を活用する為のノウハウや要望にお応え致します。お気軽にお問い合わせください。