フリーコメントアンケートを活用する4つの方法
アンケートの最も濃密な情報「フリーコメント」
アンケートにつきものなのが「ご自由にご記載ください」といった設問や、「その理由を教えてください」といったフリーコメント欄。アンケートに答えたことのある人ならその面倒くささはおわかりだと思います。だからこそ、フリーコメントは大変貴重な存在。お客様の本音、言うにいえなかった本心がそこに隠されています。
数値では見えない定性データ
数値的にわかる設問だけだと、どうしても設問に抜け漏れが発生したり、大事な情報を聞き漏らしたりしてしまいます。また、数値だけではわからない、具体的にどんな所が良かった・悪かったのか、何故そんなことが起きているのか、現場にいなくてもフリーコメントから読み解くことも出来ます。現場から離れてしまった経営陣やスーパーバイザーや統括店長といった立場の人からすると、貴重な現場からの定性データと言えます。
活用が難しいという欠点
しかし、そんなフリーコメントですが、活用がものすごく難しいのが難点です。数件〜数百件なら全てに目を通すことも簡単ですが、それが数千、数万といった数になるとお手上げです。多種多様な意見があちこちにあり、何をどうして良いのかわからなくなってしまいます。ついつい集計しやすい設問、グラフや数値の推移に一喜一憂して、フリーコメントは後回し。そんな事になっていませんか?
今回は、せっかくフリーコメントアンケートを取っているのに、活用出来ていない人たちの為に、フリーコメントが何故活用できないのか、どうしたら解決できるのか、その方法をお伝えします。
フリーコメントが活用されない3つの理由
1.コメントを読む業務負荷が高い
数千、数万ものフリーコメントを読んで、重要そうなことを抽出していると、何時間あっても時間が足りません。特に手書きの文字は癖も強く、わずか1文でもなんて書いてあるのか読み解くだけで数分使ってしまう、なんてことも。ひたすら読んで、お客様の声に隠れた課題を見つけることは、予想以上に業務負荷が高いのです。
2.客観性や汎用性の担保が困難
何万ものフリーコメントを読み、大事そうな情報をまとめてみたものの、上司から「それは一体どれくらいの人が言っているのか?」とツッコミを貰ってしまう事も。何を話題にしているのか、集計しながら読んでいたらそれこそ日が暮れてしまいます。なんとなくピックアップした声、自分が大事そうだと思ったコメントはどれだけ客観性や汎用性が保たれているのか、その根拠を示すのは困難を極めます。
3.読み解いている間に、情報が陳腐化してしまう
フいつかちゃんと読んで解析しよう、そう思っている内に、いつの間に時間が経ってしまう、そういう事はよくあると思います。せっかく取ったデータ、解析しないうちに、色々な施策が動いて、結果として既に問題が解決されてしまった、別の問題が発生していたという事も。時間とともに劣化が進んで陳腐化してしまうのもフリーコメントの特徴でもあります。
フリーコメントを活用する4つの方法
1.デジタルアンケートを使う
WEBを始め、デジタルアンケートを使うことで、様々な利点があります。文字に癖がなく読みやすい事はもとより、検索が容易なのも大きい利点です。自然言語処理を始め、様々な解析をかけることが出来ます。どんな単語がどの程度出てきたのかを調べたり、重要な単語だけを含むアンケートだけをピックアップしたり、コメントを読む業務負荷を大きく下げてくれます。高機能のツール「KHコーダー」等、便利なツールも揃っているのでぜひ試してください。
2.全体感をざっくり、すばやく把握する
タグクラウドや最頻出単語を見ることで、どういう単語がよく出ているのか知ることが出来ます。その結果、文章を読み込まなくても大まかなコメントの傾向や見通しが立つことがあります。例えば、「雑」「失礼」「態度」といった言葉が出てきているとすると、何かしら接客に関する不満が多いのではないか、という仮説が立てられる様になります。また、今までに出てきていなかった単語が頻出しだしたりすると、何か変化が起きている事が想定されます。施策の影響など、情報が陳腐化する前に、すばやく兆しを掴むことが出来ます。
3.数値と合わせて読む
例えば、選択式のアンケートで「良いものにチェックしてください」という設問があり「接客」が一番チェックされたとしましょう。当然フリーコメントには接客の何処がより評価されているのか、コメントには理由が記載されている事が想定されます。この様に、数値であたりを付け、関連するワードがあるコメントだけに絞ることで、全ての情報を読まずに大事な情報を抽出出来ます。さらに、数値による裏付けにより客観性や汎用性が担保されます。
4.原因を知る
今まで紹介したタグクラウドや数値を見てわかった気になってしまうことがあります。しかし、コメントをよく見て、その背景を深掘りすることは何よりも大事な作業です。特に、出てきた単語が原因なのか、それとも別の何かに原因があり結果として出てきた単語なのか、フリーコメントから示唆を得て、納得行くまで突き詰めて考えましょう。より本質的な原因に対して打ち手がとれれば取れるほど、浅い原因に比べて大きな効果が期待出来ます。
まとめ:フリーコメントでPDCAを回そう
今までご紹介した方法をもちいることで、フリーコメントから様々な示唆が得られる事が出来ます。特に新たな施策がお客様にどう受け入れられたのか、チェックし、次のアクションへの示唆を知ることが出来ます。
フリーコメントを聞き続けることが大事
そんなフリーコメントですが、いちばん大事な事は、常に聞き続けるという事です。今この瞬間何が起きているのか、それをお客様視点で知り続けることこそ、PDCAを高速で回す為の秘訣です。もし、スポットや、断続的にやった場合、施策が本当に効果があったのか、それを知るのが半年、1年先なんてことも。様々な施策の効果が入り混じり、本当に何が効いたのか分からなくなってしまいます。今日の施策の影響が明日にはわかる、そんな体制が望まれます。
クイックスコープは、自然言語処理を用いた解析もお手伝い致します
フリーコメントは、すばやく、要点を掴み、大事な情報だけを抽出する活用法がより重要になります。とは言いつつも、「なかなか自然言語処理なんてやったことがないから難しい」、「今取っているアンケートのフリーコメントから何かしらの示唆を出して欲しい」、「長期的なフリーコメントの推移を可視化して欲しい」そういう要望にもクイックスコープはお応えしています。お気軽にお問い合わせください。