顧客満足度調査(CS調査)とは?そのメリットと活用方法
顧客満足度調査(CS調査)とは、成長の為に必要な「客観的な視点」
・来店者(リピーター)をもっと増やしたい
・来店頻度をもっと増やしたい
・お店の事をもっと口コミして欲しい
多くの経営者がそんな事を考えていると思います。実際は何が顧客にとって好印象だったか、また悪印象をあたえてしまったか、その原因特定をするのが難しいのが実態です。また、SNSが普及した昨今、一度顧客に悪印象を与えたら、その声は広く拡散され、小さなミスが大きな経営リスクとなってしまうことに危機感をつのらせていませんか?
このような課題を解決するために行われているのが、アンケートやモニター調査により、顧客の声を可視化・数値化するのが顧客満足度調査です。
顧客満足度調査により、顧客ロイヤルティの指数であるNPS(Net Promoter Score)をはじめとした数値を元に課題を見極め、対策を行うことできます。その結果、クレーマーを減らし、ファンを増やすことで、企業全体のブランド価値があがり、多くの良い口コミを得られ、リピート率や顧客の定着が促進することが可能です。
来店者の満足度、つまり顧客満足度はお店の業績に大きな影響を及ぼします。昨今では、顧客満足度を重視し、顧客満足度の向上を企業経営の眼目としている企業も最近では数多くみられます。NPS(Net Promoter Score)は特にこの2010年ごろから一気に普及し、自社のブランドの高さを示す統一的な指数として多くの企業が調査、公開しています。
顧客満足度調査を行う4つのメリット
もう少し具体的に、顧客満足度調査を行う為のメリットを深掘りしていきたいと思います。
1.ファン化の促進。リピーターの増加によるLTVの向上
LTVとは「Life Time Value」とは顧客が生涯を通じてどれだけ消費=価値を提供してくれるかの指標です。「顧客生涯価値」、お客様一人あたりが支払ってくれる金額を指します。顧客満足度調査を通じて、顧客満足度に影響を与えうるアンケート項目を洗い出す事が出来ます。この項目を改善し、顧客の満足度を高める施策を打ち続ける事が出来れば、リピーターが増え、LTVが上がり、業績向上が見込めます。
2.クレーム対策で優良クチコミ増!人が人を呼ぶ
満足度の高いお客様1人は平均で5人に良い口コミを広げるとされます。一方で、クレーマーは批判的なお客様は1人が平均で10人に悪い口コミを広げてしまいます。出来る限り、良い口コミを増やし、悪い口コミを減らす事が重要になります。その際、顧客満足度調査により、何が評価され、何が評価されなかったのかを把握することは、優良口コミを増やしていく最も素早いアプローチです。また、批判的なお客様、特にアンケートでクレームを書かれたお客様に対していち早く対応することにより、悪い口コミを防ぎ、逆に好印象を与える事が可能になります。その結果、優良口コミが増え、その声がさらなるお客様を呼ぶ良い循環に発展します。
3.顧客視点でのPDCA
お客様を増やしLTVを上げる為には、何処に課題があるかを可視化し、適切な打ち手を取ることが必要になります。しかし、どんな打ち手を取るのか、その企画の良し悪しの判断は困難を極めます。ともすれば、全く効果の無い打ち手を取ることで、逆にサービスの質が低下してしまう、最終的には業績が悪化してしまうことも。それ故に、今何処に課題があるのか、日々の様々な改善や施策がどの程度お客様に響いているのか、可視化し、経営陣が理解することが重要になります。これらの情報を可視化するのに顧客満足度は非常に良い指標です。例えば、直接売上に影響しないけど将来的にはブランドに寄与しうる物、身近な所では、丁寧な挨拶、言葉遣いなど、実際にできているかいないか、その改善具合なんかも、リアルタイムに可視化してくれます。その結果、顧客満足度調査を通じて顧客視点でのPDCAを回す事が出来ます。
しかし、「売上をしっかり見ていれば、打ち手の良し悪しは分かるのではないか?」そうお考えの方もいらっしゃると思います。ですが、実際の所、売上だけを見ていてはなかなかうまく行きません。例えば、季節性のある商材や天候に左右される小売店など、売上の直近の前後比較が難しく、長期トレンドを見ないと分からないといったことも。一見売上が上がって、施策が上手く行った様に見えても「今週ずっと天気が良かっただけ」という可能性も…とある大手ECサイトは、雨の日が続くと問い合わせが増えるとか。そんな事が無いように、顧客満足度を見続ける事は大事な経営の課題です。
4.社内の共通哲学としての「顧客満足度」
「パートやアルバイトの現場職員がなかなか思い通りに働いてくれない」…店長やマネージャー側からすると、下手に叱責しては離職を高めるだけで極力避けたい。しかし、本部からは方針を徹底するようにとの声に挟まれてしまう。中間マネジメントとしては非常に辛い立場を強いられます。他にも、良い接客をしてくれる現場職員が辞めた途端に売上も落ちてしまった等、現場の「気持ち」や「人」に応じて業績は大きく変わってきます。誰を褒め推奨し、何を叱責しすばやく対応が必要なのか、その判断の中軸がまさに「顧客満足度」です。お客様の声という共通の判断軸を社内に普及することで、現場に即した本部側の対応、公平公正なマネジメント、良い事例の水平展開、現場の納得感などがスムーズに行えます。社内の「気持ち」や「人」にまつわる問題を解決する鍵がまさに顧客満足度調査なのです。
顧客満足度調査を意味あるものにするために必要な5つのこと
色々なメリットがあると分かっていても、なかなか経営に活用するのは困難を極めます。過去にアンケートによる顧客満足度調査や、覆面調査員による実態調査、顧客満足度調査を行ったけど、思ったような効果は出ていない、やりっぱなしになって活用出来ていないケースも少なくないと聞きます。そうならない為に大事な5つのポイントを紹介します。
1.できるだけ多くの回答データを集める
回答の数を増やすことで、データの精度が高まります。短い期間で実態に近い数値、意味のあるデータが出てきます。これにより、短い期間で施策の検証が出来たり、比較・検討が行いやすくなります。しかし、コレが結構難しく、せっかくアンケートを企画したのに、思った様に件数が集まらず、取りやめてしまうケースも多々あります。ポップやカード等を使ってアンケートやモニタ参加への誘導を促進回答者に促進、「次回来店時に使える割引券」や「抽選での商品プレゼント」などインセンティブを提供、スタンプラリー等ゲーム性を持たせる、チェックアウトや精算の時にお願いして記入してもらう等、様々な工夫が必要です。
2.偏りの無い回答データを集める
回答数が多ければよいのですが、ただ多いだけでは意味がありません。よくある失敗に、回答数を増やすために、同じ人に何度も回答してもらったり、身内だけに回答してもらうケースがあります。他にも、自店舗の評価を上げるために従業員がアンケートに答える偽装、覆面調査を見破ってその時だけ真面目に接客するといったケースも耳にします。しかし、それでは顧客満足度調査の目的である「客観的な視点」が大きく損なわれてしまいます。最初の内はさほど問題になりませんが、本格的に運用していくフェーズでは、同じ人から複数回答させない仕組みや、集計の時に重複チェックをする、覆面調査を分かりづらくする、などの工夫も必要になっていきます。
3.スポットではなく、継続的に集める
顧客満足度調査を一度したらしっぱなし、そういうケースもよく耳にしますが、実は「継続的に集める」事は非常に重要になります。顧客満足度を通じてPDCAを早く回していくためには、できるだけその効果があったのか無かったのか、都度、できるだけ早く見極める必要があります。しかし、よくあるケース「年に1回の覆面調査をしています」という会社様では、なかなかPDCAを回すのが難しいのが実態だと思います。1年の間に、人が入れ替わったり、多くの施策が行われたり、一体何が寄与して顧客満足度が上がったのか、下がったのか、分からなくなります。だからこそ、顧客満足度調査も継続的にリアルタイムで見続けて、様々な出来事の影響を把握しておく必要があります。その事で、PDCAをより早く、効率的に回し続ける事が出来ます。
4.データを分析・解析し、改善案を立案する
お客様の声がたくさん入ってくると、一体何をどうして良いのか、何が良くて悪いのか、徐々に全体像が掴めなくなってきます。それゆえに、データを分析・解析して、見やすく・分かりやすくすることがとても大事になります。一見、分析・解析というと難しいですが、統計や数学を使わなくても出来る事はたくさんあります。店舗ごとのランキングを出して現場の士気を高めたり、特定の店舗の顧客満足度が急上昇した原因を探り施策を全社展開する、という割と簡単に出来る事もたくさんあります。また、お客様の声をそのまま受け止めるのではなく、裏に隠された本当の声を聴く事も大事になります。「何故悪い回答になってしまったのか」「一体何が評価されているのか」、何故、何か、どうやって…丁寧に仮説を立てて行くと、本当にいろいろな課題が見えてくるでしょう。顧客満足度を分析・解析した学びから、改善案を立てて行き、実行し、顧客満足度がどう変化したのかを見る。その繰り返しが大きな事業の成長に結びつきます。
5.現場にお客様の声をシェアする
溜まってきたお客様の声、経営陣や一部の企画主だけで見ていたりしませんか?だとしたらとてももったいないです。顧客満足度調査は経営陣にとって大事な経営のデータであることはもちろん、現場のプレーヤーにとっても自分たちの行動が良いのか悪いのか知るとても良い判断軸です。お客様に褒められた事例はそれだけで嬉しいですが、更にそれを経営陣からも褒められたら尚嬉しいでしょう。お客様の声を軸にして褒める事は、誰からも公明正大で「なんでアイツだけ」といったやっかみになりづらいというメリットもあります。また、目的意識を持って仕事する上で大事なモチベーションにもなります。一方で叱責するときも、何故叱責されたのか、その明確な根拠になりえます。また、経営陣→現場というトップダウンの効果だけでなく、現場→経営陣というボトムアップの効果も期待出来ます。現場が経営陣に意見具申するときも、何故自分たちの案が必要なのか、その明確な根拠としてお客様の声を活用すると、より公平性が増し、受け入れてもらいやすくなるでしょう。
まとめ:顧客満足度調査はやるだけでは意味がない
顧客満足度調査は経営から現場一人ひとりまで、全てで意味がある
顧客満足度調査についていろいろと取り上げてきましたが、その効果と影響は経営者・社長のレベルから、ミドルマネジャーやスーパーバイザーや店長といったミドルマネジャー、さらには現場の一人ひとりの社員、アルバイトにまで多岐に渡ります。それだけに、適切に活用できれば、会社や事業全体を大きく変える力のある、とても意味のあるものです。
まずは経営者がお客様の声を経営に活かす覚悟を持つこと
正しく活用して、効果を上げていく為には、やらなくてはいけないこと、やっておいて方が良い事はたくさんあります。これらを機能させ、大きな価値を上げるには、全社的に活用していく事が必要不可欠です。それだけに、「アンケートを取っておけば、何か気づきがあるかも」「とりあえずやってみてから考えよう」「後は誰かがまとめて報告してくれる」ではなかなか上手く機能しないものです。まずは経営者や事業責任者が「お客様の声」を経営に活かすという覚悟を持たないと、様々な事が前に進みません。
古典的な手法だが、活用の可能性は大きい
実際の所、顧客満足度調査を活用せずとも成長した企業も数多くあります。しかし、まだまだ活用出来ていない、なかなか顧客満足度調査まで投資出来ていない、そういう企業の方が圧倒的に多いのが現実です。それ故に、顧客満足度調査には大きなポテンシャルがあります。正しく顧客満足度調査を活用した結果、業績を伸ばした企業も数多くあります。
QUICK SCOPE(クイック・スコープ)にお任せください
CRMやビッグデータと比較すると、予算も人材面でも導入が容易とはいえ、実際に社内に根付かせるのが難しいのが顧客満足度調査です。導入に必要なノウハウを持っているのがクイックスコープです。顧客満足度調査を使って経営を変えていきたい、もっと事業を成長させていきたいという方は、是非お問い合わせ下さい。